「地政学講座」開講のお知らせ  4月16日

日本では、国を挙げて信奉礼賛した様々な事象事物を敗戦が「存在悪」や「トラウマ」にしてしまいました。

その一つに、「怪しげな悪の論理」などの批判が勝る「地政学」があります。

「地政学」は、戦争の世紀であった20世紀において、地理学と政治学を結びつけ「覇権」を獲得する理論でした。その代表がヒットラーの戦争です。

日本では、「地政学」が「大東亜共栄圏」構築の戦争に導いています。敗戦後の占領政策は、「地政学」をタブーとし、遠ざけ、鳴りを潜め、国民は、戦前の態度を一変して「地政学」をトラウマに閉じ込めました。

他方、今日、「地政学的リスク」など「地政学的云々」と表現されることが多くなっています。しかし、「地政学」の欧米での深化に比べて、日本の「地政学」は、概念整理が行われないまま言葉だけが復権しつつあり、まだ批判の残滓と認識の曖昧さから解放されていません。

そこで、NPO国際地政学研究所は、別添により「ジオポリティークと安全保障」講座を開講させて頂くことに致しました。本講義では、「地政学」を「ジオポリティーク」の一環として捉え、歴史を通して「地政学=覇権理論」を理解し、その過程で「安全保障」の基本となる知見を養い、戦争の本質、軍事力の役割に正鵠を得た理解を促すことができればと考えております。

企画に際しましては、教室の確保ができず「講座実施日時」が不定期となりましたことをお詫び申し上げます。可能な限り講義の進捗に合わせ多くの皆様のご参加、ご聴講を頂けますよう尽力させて頂きますので、ご賢察頂ければ有難く存じます。ご聴講をお待ちしております。

平成29年4月11日

主任講師NPO国際地政学研究所理事 林 吉 永