皆様におかれまして如何お過ごしでいらっしゃいますでしょうか。寒さが厳しくなると予報されております。お風邪を召さぬようご自愛、ご注意くださいますよう祈念申し上げております。
常日頃、私どもNPO国際地政学研究所にご厚情、ご鞭撻を頂いておりますこと衷心より感謝申し上げます。本年も昨年同様、この11月に「シンポジウム」を開催させて頂くことになりました。
「北朝鮮の脅威」、「国難」と、表現は様々ですが、そこに流れる文脈は「戦争」であります。日本は、70年間の「平和国家の建設・維持」に成功いたしましたが、2014年の「集団的自衛権行使の容認」の閣議決定をもって、独自の「平和国家」の看板を下ろすことになりました。平和を願う精神が皆共通とは言え、戦争と一線を画していたわが国は「安全保障政策を一変」、戦争との距離を近くにする「安全保障政策の大変革」を行ったのであります。
それは米合衆国が「孤立主義」を棄てて、集団的自衛権行使に踏み切った「NATO加盟」に匹敵する「国際社会の秩序維持のために日本人が血を流す犠牲を厭わない」国是への転換であります。
しかし、今日、戦争は、第二次世界大戦、日本のアジア・太平洋戦争(大東亜戦争)という国民国家の伝統的戦争と異なり、戦争を異なったイメージで捉えられる「新たな戦争」の時代が謳われるようになっております。
それでは、クラウゼヴィッツが戦争の概念とその正当性を提起した『戦争論』はどのように読みとけばよいのでしょうか。古典として、現代の戦争にとって一つまみの示唆しかもたらさないのでしょうか。
そこで企画いたしましたのが、下記、2017年IGIJシンポジウム『K・V・クラウゼヴィッツと今日の戦争』であります。皆様と改めて今日の戦争イメージを共有し、その本質、そして軍事力の役割を考え直し、健全な安全保障政策にアプローチしてみたいと存じます。折角の日曜の休養日でございますが多くのご聴講をお待ち申し上げております。
NPO国際地政学研究所 理事長 栁澤協二 拝